もっと愛されていい娘。



彼女の娘。でのポジションはあくまで二番目のポジションで
それは決してこれから飯田が卒業した後の次期リーダーとして
その役職が変わろうとも彼女の評価はそこになってしまう。


ミニモニ。」リーダーの重責を全うしている時の彼女もそうで
周りの目は辻加護に向けられイメージングは常に二人を中心に作られ
彼女は言うならば際物の扱いで、それは好奇の目で見られて。
それでも彼女はひたすらに元気に笑顔で。そしてユニットは成功を収めた。
彼女の発案だったことも大きいが、しかし全う出来るのもまた彼女だけだった。


でもその想いはある時一瞬で砕かれた。見えざる手でいともあっさり。
そこには一片の愛もなく、ただ簡単に想いは砕かれた。
彼女はそこを離れた。そして作られた何かに彼女は納まった。
こちらが彼女の気持ちをおおよそ理解することは不可能だが
滞りない気持ちだったのはおおよそ確かだった。


安倍が卒業した時彼女は何を想っただろうか。
彼女を愛する人がまた一人自分の傍らから遠く離れる事をどう想った。
でも彼女は安倍を懸命に後押しした。安倍にいっぱいの愛情を持って送り出した。
彼女に対する愛情の断片がまた減ってしまっても彼女は安倍の未来を祈った。


彼女はいつも愛情を供給する立場にあった。周りに常に自分の精一杯の気持ちを込めていた。
でも、じゃあ彼女への愛は誰が与えてあげていただろうか。
彼女の供給する愛情以上に彼女への愛情を誰が注いであげていただろうか。
彼女が常にそういう事に立たされる事に当たり前になっていたんじゃないだろうか。
次期リーダーとしてまた更に彼女は周りに今以上の愛情を注がなければならない
立場になるのに、誰が彼女を見てあげるのだろう。


ラジオから発せられる声にそんな想いはただ俺が勝手に思う事ばかりで
でも激動の中にいた娘。として彼女はもっと愛されるべき存在じゃないだろうか。
彼女の誕生日というのを思ってふっと想った。
娘。がまた一つ節目を迎える今月の終わりの前の彼女の誕生日に
責めてこれからの重圧を跳ね除ける愛情がこれまで以上に降り注ぐようにと
22歳になった小さな娘。に、そう想わずにはいられなかった。



矢口真里さん、一日遅れてしまったけど22歳の誕生日おめでとう。