TOP RUNNER@スキマスイッチ


俺が彼等を始めて意識、と言うか存在を知ったのは2003年のオーガスタキャンプだった。
遅れて会場入りした俺は、千葉マリンスタジアムの上空のつき抜ける青い空から刺し込んでくる
太陽の光と、周りの黄色い雰囲気にすっかり滅入ってしまっていた。
そんな中、その時まだミニアルバム「SukimaSwitch」をドロップする前のスキマスイッチ
登場していた。
勿論グループ的にも知名度的にも彼等はまだまだ新人だったので、演奏時間的にも少なく
パフォーマンスも小慣れていないので一目見た感想はその辺の新人バンドと同じ感想と
「今時アフロって・・・」というくらいだった。


でも最後の曲「君の話」が演奏されるやいなや、パチっと何かが弾ける感じが会場を包んだのが
今でも印象的に残っていた。周りがブワっと目覚めるような感覚。
「君の話」の持つグルーブ感溢れるメロとキーボードの小刻みなリズムが奏でる一体感が
ジワジワと会場を包んでいくうちに周りから「いいねこの曲」「スキマスイッチって知らない
けど結構イイかも」とレスポンスも上り調子になっていたのを聞き取れた。
俺も気がついたらその特徴的なボーカルとキーボードメロディが心地よくなってしまっていた。
帰ってきても「君の話」のメロディが頭の中をグルグル周っている始末。こりゃ完全にヤられて
いる症状だな、と自分でも理解出来るほどだった。
その時公式サイトで視聴できた「君の話」をネット時に延々とリピートするほどに。


その一ヶ月後に出たミニアルバムは勿論発売日に買いに行った。
アルバムの印象は俺が求めたものとはちょい違って、思ったよりもミドルテンポなものが多く
あのライブでヤられたグルーブ感を追うような構成ではなかったのがちょっと残念ではあったので
ミニアルバム以降は彼等をあまり追わないようにしていた。
事実ロングヒットした「奏」も「夏雲ノイズ」も購入していないほど。
未だに何で「奏」が売れたのかも、正直俺はよく分からない。


昨日のトップランナーを見て、彼等の支持がそこまで高く且つメジャーなものになっているのに
ちょっと驚いた。あまり売れそうにならないと思っていただけにギャップが激しく
また番組中のライブで「君の話をやってくれるかな〜?」と思ったがやらなかった事は
彼等に求められている部分と俺が求めていた部分がちょいと違うのも再認識できた。
でも「ふれて未来を」の武田真治のサックスとのコラボは気持ちがよかったです。


これからも多分求められてくるのはバラードに代表されるミドルテンポな曲調や女性支持を
集める甘いメロだったりすると思うけど、俺にとってのスキマスイッチはやはり「君の話」なので
ボーカルのハイティーンな部分とキーボーディストが魅せることが出来るグルービィーさも
今後は目に出来たら、俺が感じたあの夏の熱を世間も感じ取れるんじゃないかな、と
期待したいと思う。